2011年11月5日土曜日

【エーゲ旅行記】ミコノス2日目 旅程変更

10月9日 ミコノス2日目。

今朝はたっぷりと熟睡出来て身も心も爽快だった。
まだ早朝で日も昇っていない。日本は今頃何時だろうと思いながら、今日も晴れそうにない淀んだ空を恨めしく見つめる。
まぁ、外出が出来ないなら、それはそれでやる事があったんだと思いだし何だかおっくうになった。

アテネ空港のストライキで発生した予定外のアブダビ3泊のために、
予約済みのホテル&フェリーのキャンセルなど調整しなくてはいけなかった。
その上、この素晴らしいミコノス滞在を、当初の予定の5泊から2泊に減らすなど、とても考えられない事だったので、ミコノスは予定通り5泊に増やすことにし、代わりにサントリーニ泊を減らす事にしたからすべき事が増えた。

旅先で旅程を変更するのは自由度があって楽しくもあるが、代わりに交渉ごとが増えるから観光やのんびりする時間が減ってしまう。なるべく手早く済まそうと考えていた。

ところで今日は違うホテルへの移動日。
3日分のミコノス延泊は今宿泊しているペネロピホテルが居心地がいいな、って決めていたのでチェックアウトする際に空き部屋が無いかどうか尋ねてみようと思っていた。

手始めにサントリーニで予約済みの2件のホテルに連絡してみた。
1カ所目はすぐに日付の振り替えはOKと返事が来た。違約金は無し。
よし!いいぞ~
2カ所目は融通が利かず、1泊分の料金を捨てる事になってしまった。
ま、致し方無いだろう。

いずれも予約手配したBooking.comから確認の電話がiPhoneに入った。
日本人社員がいるようだ。日本語で電話がかかってきたので驚いた。
ミコノスに着いてからお気に入りになったMilkoというチョコレート飲料のミルク成分が体に合わないらしい。 担当の人と会話中にどうにもこうにもオナラが止まらない。

「変更点はこのようにしてよろしいですか?」
「はい。プッ」
「では確認のメールを送りますので」
「分かりました。プップー」
「では失礼します。」
                                「ププップー」
コントかよ。。。と思うくらい自分で大笑いした。


次はサントリーニ行きのフェリーの変更。
これは電話するよりも、ミコノスにある旅行代理店で、直で無償振り替えを交渉する方がいいだろうと思った。
この日のミコノスはもの凄い風と雨。持っている傘もこれ以上無いほどの無惨な壊れ方をした。
そういう訳でこの街では傘は馴染まない。皆、無償配布されている黄色いカッパを着ながら移動していた。
俺はバックパックをしょっているから、諦めてずぶ濡れ覚悟でミコノスの可愛い路地を駆け足で歩いた。

恐らく雨期のミコノスに来た人じゃないと知らない現象をこの目で見た。あの石畳の路地は大雨の時に川の激流に変わるのだ。


大分雨足が弱まってからの撮影

ものすごい音を立てて流れてくる雨水。川をジャブジャブ歩くかのように進まなくてはいけない。
しかもこの石畳、ペンキでまだら模様に塗っているわけだが、まぁーこれが滑る滑る。スケートリンクよりも滑る勢い。
転倒しないよう気をつけながら街の中心部へ向かい、やっと旅行代理店へたどり着いた。
「明日のミコノス発、サントリーニ行きのフェリーを13日に振り替えたいのですが」
「まず予約したe-ticket見せてもらえますか?」
「どうです?無償振り替えは出来ます?」
「あぁ、それなら大丈夫、明日のフェリーはどっちみち暴風雨でキャンセル告知されたわよ」
「え?」
「キャンセルだわよっ!!良かったね!」
がっしりした体型の太っちょおばさんは、そう言ってニコニコしながら返金をしてくれた。
それから改めて13日のサントリーニ行きのフェリー券を購入した。
なぜか7ユーロほど安くなっていた。なんで??

ギリシャへ来る前は、フェリーの欠航ほど恐ろしい物は無いと思っていた。
でもこの頃には旅先での予定変更などお手の物になっており、むしろ悪天候での欠航なので、フェリー会社は返金してくれる。
今回に限っては自分の希望に悪天候が味方してくれた訳だ。
よし!いいぞいいぞー!やっとツキが来たかな?と顔をにやけさせながら代理店を出る。



代理店前で撮影した悪天候の模様


さぁ次のホテルへ移動しなくては行けない。
と建物を出たとたん、強風により被っていた帽子がすっ飛んで行った。

流水状態の路地を戻り、ホテルでチェックアウトを済ませる時、いっぱいのお礼をこのホテルのおばあちゃんに伝え、いっぱいの飼い猫ちゃんとワンコにバイバイをし、今日は違うホテルに移動するんだけど、あさってから13日までまた戻ってきて泊まりたいのですが、と言おうとした瞬間、
「あなたは遙々遠くからやって来た。今度ミコノスに来る時は流れてしまった2泊分をお使いなさい。その時は無料で泊めてあげるね」とおばあちゃん。
「えーーー。あさって戻ってきます!!いいですか?」
おばあちゃんはニコニコしながら、「もちろん!」。 何て素晴らしいタイミングなのだろう。






恐ろしくスムーズに話がまとまって、心軽やかにミコノスの高台にある4つ星ホテルへ向かった。
見上げると結構な坂道だったので、トランク引きづりながらだとしんどいだろう、とタクシーを選択。4ユーロで行ってくれた。
次のホテルは高級感を感じるブティックホテルだった。








レセプションもこれまでにない教育された感じの従業員。これまでいつもギリシャ人の応対がずさんだったので素敵な対応に嬉しくなってしまう。
自室に案内されてまたびっくり!素敵すぎる!これぞミコノスリゾートって感じの建造物だった。





写真を死ぬほど撮りまくりたいけど外は稲光が常時ぴかぴか光り豪雨。
カメラは濡れるし俺も風邪引いてしまうから残念だけど部屋で待機だ・・・
幸いにして部屋は綺麗でとても居心地が良かったから救われた。
残念ながらこのホテルは部屋でwifi電波が届いてこない。ホテルの屋外テラスのカフェに行かないとダメだ。
カフェに出て見開いたミコノスのパノラマ絶景に思わず声をあげてしまう。「こ、これはすげーーーー!」










 間もなくすぐに大嵐に。


雨が吹き込んでこない庇の下で写真を撮りまくる。そして改めて今ミコノスにいるんだな、、と一瞬なぜか怖くなる。
写真で見るよりも何倍も心を打つ景観。外が豪雨でもどうでも良くなってしまうほどの美しさ。
この景観を一人で見るには本当に酷だった。こういう場所はやっぱりカップルか友人同士でワイワイ騒ぎたくなる。
この夜は深夜までこのカフェにいた。随分と体が冷えていたのは後から気づいたほど、この景観に陶酔しきっていた。
部屋に戻り、冷えた体を温めるためシャワーを浴びると、さすがギリシャ!!扉の立て付けがおかしい!
ガラスの二枚扉なのだが、うまく閉じてくれない。よいしょっ、と閉めると今度は開かない。



ここで素っ裸でしばらく閉じこめられてしまった。何とも情けないやら可笑しいやら・・・
最後は正直壊してしまったか??と思う音を立てて何とか脱出出来た。
たとえ壊してしまっていても、俺は知らん。そういう作り方をするから悪いのだ。
シャワールームは宿泊人を監禁するほど閉じられていたはずなのに、バスルームの床はびっしょびしょの水浸しになっていた。
そして更におかしい事に、排水のための床ドレンの位置が、勾配の上の方にあり水はけする訳がない 笑
結局翌日チェックアウトするまでこの界隈は、水がいっぱい貯まっていた。

ギリシャでは4つ星ホテルかもだけど日本ではマイナス星になりそうです!
こういう一連のずさんさで、日本のあらゆる業界がいかに緻密でサービス力が高いか思い知った訳です。
オフシーズンだから安く泊まれたから良いものの、ハイシーズンではここ、400ユーロくらい取ってる。
ギリシャ万歳ーー!ギリシャがなぜ財政破綻しそうなのか垣間見た気がした。


ところでこの日初めて本格的なギリシャ料理を食べる事になった。
この日に至るまでトラブルが目白押しだったから、ちょっと贅沢してみようって思いコース料理をレストランで注文してみた。



ケチャップ味濃厚で油っぽいラザニアみたいな物。半分残す。



食べきれないくらいのサラダ。固まりがでかい。



アブダビで食べたような大きな肉の塊とライスを煮込んだ物。
食感がねちゃねちゃしてる。




ミコニアンソーセージ盛り合わせ。
ウェルダンすぎ。しまいには骨が混じってて石をかじった?て思った。
 この後に甘すぎるデザート。胸焼けした。


35ユーロ。残念ながら全部俺の口にマッチしなかったが、ハンパない量で胃袋は満たされた。
レストランのウェイトレスはすごく感じの悪い女だった。
まぁ、これがギリシャなんだろうな、とあんまり口にしたくないけどかなり幻滅した。
ギリシャに来てから、俺がアジアンだから小馬鹿にしてんのか?と思っていたけど、
他の白人客にも同様にそっけない態度を見せるギリシャ店員たちだったので、ここに来るとみな同じ対応をされる事だろう。
ただ一つ思う。私用電話を掛けながらレジにたつ店員だけはムカっと来るね。
来る前は良い幻想ばかり抱いてやってきたギリシャ。日に日にこうして現実と向き合う事になっていった。
そして結局この日の雨は最後まで止むこともなく、虚しく過ぎ去ることになる。
どうなることやら。


つづく


ミコノスで撮影した全ての写真はこちら

その1


その2