2011年11月9日水曜日

【エーゲ旅行記】ロバの気持ちが分かった!

10月20日 サントリーニのフィラ滞在3日目

今日も快晴予報だった。朝にあれこれと雑事を済ませ、
夕べ寝る前にアップロードの指示をかけていたPicasaアルバムをチェック。
よし、このホテルのwifi電波は最強だ。あっという間に800枚ほど転送が終わっていた。
昨日は、大型クルーズ船が5隻くらいサントリーニへ大勢の観光客を送り込んでいたのでケーブルカー乗り場はとんでもない混雑ぶりだった。

だけど今日はギリシャの48時間ストライキの影響でやって来る数は少ないはずだ。
よし今日はケーブルカーに乗ってオールドポートまで下り、帰りの登り階段はロバタクシーで上がって来るぞと決める。
ギリシャに滞在してもう大分経ったので大抵のことはルーティンになり慣れていた。
地元に住んでいるかのような感覚も持ち始めていたので、この頃には散策も慣れたものになっており
すったかた~~と迷わず行きたい場所へスムーズに行く。


中華大飯店前のわんちゃん


雲一つ無い快晴!


混雑しているアーケードを通りながら、「ほんと日本人に会わないな・・」と思っていた矢先に2組のカップルとすれ違った。
会話は交わさなかったけどすれ違う時に日本語が聞こえて来ると何だか懐かしい気分になる。

予想どおり今日のケーブルカー乗り場はガラガラだった。待ち時間なしでしかも一個のゴンドラを一人で独占出来た。













びゅ~~~ん、と一気に下るケーブルカーはあっという間にOld Portと呼ばれる港までたどり着く。
感覚的に3分くらいだろうか、とにかく一瞬の出来事だった。ちょっと拍子抜けだった。4ユーロ。











オールドポートと呼ばれる港は、サントリーニ古来からの港で大きな客船は乗り入れできない。
火山クルーズに向かう小型帆船や豪華客船からやって来る乗り入れ用のタグボートくらいが接岸出来る。
客船からどっと一時的にやってくる大勢の観光客たち。とても賑やかだ。
でもすぐにケーブルカーで崖上のフィラの街に上がってゆくので、嵐のように群は消えてゆき数時間後にまた帰ってくる。
この日は少しそういった風情をのんびりと眺めていた。日陰のベンチに座っていたのに日差しはジリジリだ。


















30分ほどぼ~っと過ごした後、念願のロバタクシーで崖上まで登ってみようと思った。
近くの乗り場で客引きのおじいさんが「ファイブユーロ!ドンキー??」と叫んでいる。
よーし乗ってみるかぁ、小銭がないので10ユーロ札を握って乗り場へ向かってみる。
客引きのおじいさんに尋ねる。5ユーロだね?「ファーイブユーロー!イエス!」
そこから少し離れた乗り場まで促される。そこには10人くらいのロバ使いのおじいさんたちのたまり場があった。
みな真っ黒に日焼けし、地中海の船乗りといった雰囲気のおじいさんたち。帽子も可愛らしい。

そこでまた尋ねてみる。5ユーロ?
群れているおじいさんたちは言う。「ワンパーソン、ワンドンキー、10ユーロ!!」
ん?値段違うじゃん 笑
そこでさらに尋ねる。「あそこにいたおじいさんは5ユーロと言ってたよ」
「ノーノー、ワンパーソン、ワンドンキー、10ユーロ!!」さっきと同じ事をさらに大声で答えてきた。
急にさっきまで可愛らしいおじいさんという印象を持っていたのが180度変わった。
何だこのじじいどもは!ムカっと来る。笑

辺りをもう一度観察すると客は俺一人。周りに10人ほどのおじいさん。みな俺を見ながら「10ユーロ!」と怒鳴っている。
ん、でも5ユーロというのは旅行記ブログでもチェックしていたし何かの間違いだろう。
おじいさんたち片言英語だから言いたいことがうまく言えないんだろうさ、と10ユーロをボス格のおじいさんに手渡せと促されるまま渡す。
当然お釣りをくれることを期待し。
そのボス格のじいさま、昼間っから酒でも浴びているかのような、ウサギのような赤い目をしていた。
手渡した10ユーロ札を胸ポケットに入れた。釣りを渡す気配が無い。
抗議する。5ユーロでしょ?お釣りちょうだい!
そのおじいさん、俺が胸ポケットのお札を取り返そうとすると、右に左にお札を隠そうとする。
いい加減頭に来て、俺も大声でふんだくった。文字通りもぎ取った。
「セニョール!!5ユーロ、オーケーノープロブレム!」10人ほどのおじいさんたちの大合唱が始まる。
みな酒に酔っぱらったような風貌だ。第一印象と真逆。
彼らの大声の制止を振り払い、その場を後にした。何だバカやろうども!!と悪態付きながら。
後からホテルに戻って知った事だけど、彼らは釣りを払わないというトラブルがあってその旨「地球の歩き方」にも小さく掲載されていた。
つまり確信犯だったのだ。ナメやがって~~。

釣りの出ないようきっかり払うのがサントリーニ流なのかもしれない。カルチャーギャップだった 笑
そういう訳でこの日のドンキーライドは見送った。
ただ見送るだけではシャクなのでドンキーの登る急坂(600段)を自力で登ってやろうじゃないの、と決める。
階段を上るにもさっきの意地悪爺さんの控え場を経由しないといけない。



思ったとおり、そこを経由する際、肩を掴まれて「セニョール!ドンキードンキー 5ユーロ!!」と制止を受ける。
しかしいい加減な爺さんどもだ・・・笑
さっき10ユーロって大合唱してただろうに!






徒歩の人は皆、階段を下る人ばかり。登りは99%ドンキーで上がる人だけ。
登りと下り、似てるようで全く体力量が違う!!笑







階段は30~40分で登り切ったけど、相当しんどかった・・・
平地を歩くのと急勾配の階段を上がるのは使う筋肉が違う。
日頃、運動不足の俺にはかなりお尻に来た。
ゼィゼィハァハァ、何度も休憩を取りながらの制覇。
途中、俺を走りながら追い越していく二人の若者たち。
最終的には彼らは途中でひっくり返って休んでおり、俺は彼らに「お前たち若いなー!本気で走って上がれるとでも思ってただろ?」と声かけたら
彼らも、「だな、まったくあんたの言うとおりだよ 笑」とぜぇぜぇ答えてた。
登り切った後に思った。
ドンキーは偉いわ。文句も言わずに毎日何回も。しかも中には巨大な太っちょも乗せるだろうに。
そうしてロバの気持ちも理解する良いきっかけになった。











アイスクリームのうまいことうまいこと。喉がとにかくカラッカラになってた。
あの階段、下りは楽ちん。登りは心臓破りですなーーーー笑
ま、とにかくいい経験。あの階段を上った記憶は一生忘れないわ。
で、おじさんは若い者にはまだ負けないぞ、と。笑
立ちくらみでアイスを落としそうになってたのは秘密。
そんな訳でもう一日分の運動をした気になって早めにホテルに戻った。

帰りはお馴染みの食べ慣れたファストフード店に立ち寄るのも忘れない。
この店、本当に美味いんだ。愛想もいいしね。やっぱ感じの良い店が最高さ。
サントリーニで感じの良い店は数少なかったから。
今日使った筋肉が発達しますようにと、ベジタリアンなのに肉料理をたっぷり食べた。
お腹いっぱいでぐっすりさ!汗をたっぷりかいた日はとにかくHappyな気分だったよ!

この後、夜のアーケード街を探索してみた。
他の人の旅行記ではフィラの夜景写真があまり無かったから
(ほとんどの人はクルーズ船の一時上陸だからか?)
ライトアップされた街を堪能出来て大満足!何だか新鮮な感じがした。





























つづく

フィラで撮影した写真集はこちら